JISの制定に当たっては、全ての実質的な利害関係者の意向が適正に反映されていることが必要ですが、利害関係者のコンセンサスの形成が得られず、
速やかなJISの原案作成が困難な場合などがあります。例えば、国際規格を国内に普及させるにはJIS化がその有効な手段ですが、
情報量の不足や利害関係者のニーズの程度差により国内における利害関係者のコンセンサス形成に時間を要するなどの課題があります。
この課題に取り組むべく、JISの原案作成に先立ち、当該JIS原案の基礎となる情報を産業標準予備原案(PD;Preliminary Draft for JIS)
として日本産業標準調査会(JISC)が公表する「産業標準予備原案(PD)制度」を令和5年8月に創設しました。
本制度において、早期にJIS原案の基礎となる情報をJISCから提供することで、関係者の意見を広く集めてオープンな議論を推進し、
JIS化に向けたコンセンサス形成の促進、ひいては速やかなJISの原案作成を後押しします。
PDの公表を希望する者は、主務大臣によるJIS原案作成に係る事前調査に併せて、PDを提出していただくようお願いします。
PD制度の実施要領についてはこちらをご覧ください。
(1)PDの公表を行う対象
国際規格 注1)のJIS化案件であって、その国内普及のために、当該国際規格に関する情報を早期
に日本語で利害関係者に提供しJIS化に向けたコンセンサス形成の促進を図る必要があるもの等を想
定しています。
注1)ISO/IECが発行する規格等。
(2)PDとして公表する文書
国際規格を基にしてJISの原案を作成する場合の当該国際規格の邦訳文書(簡易翻訳物) 注2)等
を想定しています。
注2)PDは、JISの原案作成に先だって当該JIS原案の基礎となる情報を早期に公表するという制度趣旨から、特に国際規格
のJIS化案件の場合は、精度の高い翻訳ではなく、スピードに重点を置いた簡易翻訳で結構です。PDの作成に当たり、
技術的な内容の審議や、JIS Z8301に基づく様式調整を行う必要はありません。
(3)PDの作成者
対象JISの原案作成を行う者(原案作成団体)に作成いただきます。
(4)PDの利用目的
本制度の趣旨を踏まえ、次の①及び②に限らせていただきます。それ以外の目的でPDを利用しな
いでください。
①今後原案作成が行われる予定のJISについて、当該JIS原案の基礎となる情報をJISCウェブサ
イトにおいて国内関係者に提供し、当該JIS化案件についての理解促進を図るためにPDを利用
する。
②今後原案作成が行われる予定のJISについて、JISCウェブサイトにおいて国内関係者の意見を
収集するためにPDを利用する。
上記以外の目的でPDを利用して行う一切の行為について、主務大臣及びJISCは何ら責任を負うも
のではありません。
JIS原案作成に係る事前調査終了後、JISCによるWTO/TBT協定に基づくJISの作業計画の公表に併
せて、PDも公表します。
原則として、PD公表後1年以内にJIS原案作成を終了し、原案作成が終了した段階で、PDの公表
を終了します。
日本産業標準調査会 PD担当 (経済産業省)
メールアドレス: bzl-jisc_pd@meti.go.jp
●PD公表中に、意見受付を行います。 注3) 受け付けたPDに関するご意見は、原案作成団体へ共有
しますので、JIS原案作成の参考にしてください。
注3) 原則として、受け付けたご意見への個別の回答は行わないこととします。
●PDはJIS原案作成に先だって公表する情報であることから、国際規格を基にしてJISの原案作成を
行う場合のPDは、基本的に対象の国際規格を内容を変更せずに簡易翻訳した文書を想定していま
す。あらかじめMOD 注4) としてJISを作成することを決めている場合において、国際規格の内容
を一部変更した邦訳文書をPDとして公表することも可能ですが、その場合、PDにおいても、対比
表や本文中の点下線又は側線などによって、技術的内容及び/又は構成の変更を示し、国際規格
を変更した理由を説明する必要があります。
注4) ISO/IEC Guide 21-1に基づく記号であり、「IDT(一致)」又は「MOD(修正)」により、JISとそれに対応する
国際規格との整合の度合いを示したもの。詳細は「JISと国際規格との整合化について」をご覧ください。
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