IECの概要
1.IECの概要
(1)沿革
(2)目的
-
電機及び電子の技術分野における標準化のすべての問題及び規格適合性評価のような関連事項に関する国際協力を促進し、これによって国際理解を促進すること。
(3)会員その他(2010.1現在)
- 会員数:76ヶ国(正会員+準会員)
- 規格数:6,027規格(2008年末現在)
- 規格作成委員会数:専門委員会(TC)94
- 分科委員会 (SC)80
- 作業グループ(WG)505(2008年末現在)
2.IECの組織
- IECの最高機関は、総会とする。
- 総会は、少なくとも年1回開催する。
- IECの意志決定は、総会の投票による。各国委員会の投票権は一票とする。総会の定足数は、会員の過半数とし、議決は出席会員の過半数で決する。棄権は投票と認めない。
- 会員は、専門家を含めて4名まで出席することができ、評議会メンバーを持つ会員は評議会メンバーを含めて5名まで出席できる。
- 会議通知は会議の4ケ月前、議事日程及び会議で議決を必要とする審議文書は少なくとも6週間前、中央事務局が総会の構成員にその他の文書やコメントは少なくとも会議の1ヶ月前に配布する。
- 評議会(CB)はIEC総会の政策を実行し、政策の立案を行う。その決議は総会に報告する。
- 評議会は意思決定機関であり、IEC役員および、総会で選出された投票権を持つ15名のメンバーで構成される。分担金の多い財政グループA仏、独、英、米、日の5ケ国は評議会に必ずメンバーを出すことになっている。
- 評議会はIEC総会議題案の確認と、関連文書を準備し、標準管理評議会(SMB)および適合性評価評議会(CAB)から報告を受けて、検討する。
- 評議会は必要に応じて諮問機関を設立し、それらの機関の議長およびメンバーを任命する。また、それら機関からの報告を受理し、提案の検討を行う。
- 通常評議会は少くとも年2回開催する。
- 執行委員会(ExCo)は総会決議および評議会決議を執行してIEC国内委員会との連絡を含めIEC中央事務局の運営を監督する。
- 実行委員会はIEC役員により構成される。
- 実行委員会は評議会のための協議事項および文書を準備する。
- 通常は、年に少なくとも4回会議を開催する。
未来技術会長諮問委員会(PACT:President's Advisory Committee on future Technology)
未来技術会長諮問委員会は、産業界で将来必要となる国際規格を見通してIECが積極的に取り組むようIEC会長に勧告し、産業界の意見を反映する役割を担っている。また最近、急速に変化する環境の中でのIECの問題点や将来の方向についての会長への勧告もPACTの役割に追加された。PACTはIEC会長を議長とし、主要国の産業界の新技術開発部門で指導的立場にある11名の委員で構成されている。現在、日本、アメリカ、イギリス、中国、イタリア、オランダ、ドイツ、フィンランド、フランス
、スイスからの代表、IEC会長、IEC前会長及び事務総長からなっている。PACT会議は年に1回
程度開催されている。
財務委員会(CDF:Finance Committee)
財務委員会は、財務監事に対する諮問委員会(Consultative Committee)として設置されている。
マーケティング委員会(MC:Marketing Committee)
マーケティング委員会(MC)は、世界貿易に貢献するという使命をもつIECを広く知らしめ、評議会(CB)に助言を与える委員会である。評議会に任命された議長と委員から構成される。MCの役割はIEC活動が適切に行われるように、市場ニーズを最も自覚している キーとなる人々の参加を推進することである。
販売諮問グループ(SAG:Sales Advisory Group)
販売諮問グループ(SAG)は、評議会(CB)に助言を与える委員会であり、販売政策と出版戦略作成を支援する。評議会によって任命された議長とメンバーによって構成される。議長は自動的にマーケティング委員会のメンバーとなる。SAGのその他の責任としては、会員の販売活動や出版物普及活動を支援するサービスの向上やIEC著作権政策の企画がある。
- 標準管理評議会(SMB)は、少なくとも年3回開催する。なお、会長又は4人のSMB委員の要請があれば、その間に招集してもよい。
- SMBは、総会が委任した下記の業務を扱い、IECの技術に関する業務の円滑化を図る。その決議は、総会に報告する。
- TC(専門委員会)の設置及び改廃
- TCの幹事国割当及び議長の任命
- TCの業務調整
- 特定専門テーマに関する他の国際機関、特にISOとの関係
- 幾つかのTCに利害関係のある、または調整した上で作成する必要のあるテーマに関する規格の作成責任の割り当て
- 新しい技術分野のIEC業務の必要性のチェック及び立案
- TCの名称及び活動範囲の承認と見直し
- 次に掲げる専門業務の進行及び能率の管理:
- −TCの報告書の承認、特に担当活動範囲の新しい項目に関する業務の進捗状況、様々な項目に与えた優先順位等の監督
- −業務遅延の理由の調整、必要に応じて上記テーマに関する適当な処置
- NC及び国際貿易における、IEC規格の実施状況の調査
- ISOと協力して専門業務用指針及び他の規則の作成と改訂
- 関連する投票手続きに従ってNCへ承認用に送付された技術問題に関してNCから提起された事項及び技術文書の投票に関して発生した問題の検討
- その他の一般の専門的な問題及び会長が指示した特別要請の検討
- SMBの決議は、投票資格メンバーの2/3以上の多数決とする。棄権は、投票と認めない。
- 当委員会には委員もしくは指名されている代行委員と1名の専門家のみ出席出来る。
- 当委員会は、総会が選出したSMB議長と15名のSMBのメンバー国の代表、及び事務総長で構成される。SMB議長は、自動的に副会長となる。
- 技術諮問委員会は複数のTC間にわたる横断的な問題の解決を目的として設置されており、その活動の成果はIECガイド(又はISO/IECガイド)などの形で出版されている。
- 諮問委員会の議長は、各諮問委員会の推薦に基づいて、標準管理評議会(SMB)が任命する。任期は6年であり、標準管理評議会(SMB)の承認により3年毎の延長が可能である。
- 安全諮問委員会
(ACOS:Advisory Committee on Safety)
- 電磁気両立性諮問委員会
(ACEC:Advisory Committee on Electromagnetic Compatibility)
- 環境諮問委員会
(ACEA:Advisory Committee on Environmental Aspects)
CABの役割
- 国際貿易に貢献するため、IECの適合性評価のための政策の作成
- 適合性評価に関するISO等の国際機関との連携
- IECの認証制度(IECQ、IECEE、IECEx)のとりまとめ、調整
CABの目的
IECスキームの究極の目的は、1回の試験、認証による、一つのマークによる世界的な受け入れである。この目的達成のために、次の事を行う。
- IECスキームの受け入れを促進するために行動計画を作成する。
- デビエーションのないIEC規格を浸透させる。
- 地域及び国際的スキーム間の関係の調整
- 強制分野、非強制分野におけるIEC適合性評価認証書の受け入れを評価する。
- 「試験の重複」の理由の調査
- 「市場までの時間」を短縮するために認定手順を加速する方法
IECの認証制度
- 電子部品品質認証制度(IECQ:Quality Assessment System for Electronic Components)
- 電気機器安全規格適合試験制度(IECEE:IEC System for Conformity Testing to Standards for Safety of Electrical Equipment)
- 防爆電気機器規格適合試験制度(IECEx)
(8)市場戦略評議会(MSB: Market Strategy Board)
- 市場戦略評議会(MSB)は、@革新的で進歩の早い市場に貢献するため産業界からのインプットを最大限取り入れること、Aユーザーニーズにもっとも合致した、IEC規格・サービスに関する市場の判断基準を特定すること、を目的として2007年6月に設置された。
- MSBはCTO (Chief Technical
Officer;最高技術責任者)など、ハイレベルかつIECにおける重要分野の専門家が集まるプラットフォームであり、産業界の声を直接IECに吸い上げることを目的とし、新技術分野の標準化ターゲットの発掘等を行う。
- メンバーはコンビナを含め16名。議長はIEC会長が務め、メンバーに加えてSMB議長等の全てのIEC役員が参加する。
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会合は原則年1回、IEC大会開催時に開催される。特定の課題についての詳細な調査・検討のために、MSBメンバーがリーダーとなって特別作業グループ(Special
Working Group)を設置することができる。
(9)セクターボード(SB: Sector Board)
- セクターボード(SB)は産業界の意見をIECの標準化作業に反映させるための、複数のTCを横断的にカバーする評議会で、IEC標準化のプライオリティの勧告と市場との関連性を継続的に確保する責任があり、標準管理評議会(SMB)に報告する義務がある。
- セクターボードは戦略的誘導を行う市場認識を有した上級管理者から構成されており、システムレベルでの一貫性を確保するために、産業部門の全ての専門委員会と連携して活動する。
(10)専門委員会 (TC: Technical Committee)
- TCは,標準管理評議会(SMB)が承認した作業範囲で作業計画を立て、その作業を実行して国際規格を作成する。
- この作業は、TCとその下に必要に応じて設置される分科委員会(SC:Subcommittee)、作業グループ(WG:Working Group)等によって、他のIEC/TC又は他の国際機関との連係のもとに実行される。
設置
- TCの設置は、次の段階を経た後、総会により決定される。
- 提案者、対象とする業務の適用範囲、提案理由等、IEC/ISO専門業務用指針に則って提出する。
- 中央事務局は、全てのNCに対し「新TC設置の賛否」及び「業務の参加の意志」について投票するよう要請する。
- 提案に対する各NCの投票は、回付後3ヶ月以内に行うこと。
- 投票した各NCの3分の2以上が賛成し、かつ5ヶ国以上が積極的な参加を表明していること。
- TCの設置決定後できるだけ早く、なるべく書面審議で、名称及び業務範囲について合意を得る。
名称及び作業範囲
新TCの名称及び作業範囲は、合意が得られた後、事務総長より標準管理評議会(SMB)に提出し承認を求める。修正についても標準管理評議会(SMB)の承認を必要とする。
作業への参加
全ての国内委員会は、TCの業務に参加する権利と国際規格案投票の権利を有する。業務への参加地位には、業務に積極的に参加するPメンバーと、オブザーバーとして参加するOメンバーがあり、各国内委員会はいずれに属するかの意志表明を行う。
幹事国
TCの幹事国は、標準管理評議会(SMB)により割り当てられる。
議長
TCの議長は、幹事国の推薦に基づいて標準管理評議会(SMB)が任命する。任期は6年で、3年毎の延長が理事会により認められる。
解散
TCの解散は、標準管理評議会(SMB)の勧告に従って、総会により決定される。
(11)分科委員会(SC: Sub-Committee)
設置
SCは、標準管理評議会(SMB)の承認のもとに、親TCにより設置される。SC設置の条件は、幹事国を引き受ける国内委員会があること、及び親TCのメンバーの内5つ以上のメンバーが積極的に参加を表明することである。親TCの幹事国はSCの設置を中央事務局に通知し、事務総長は標準管理評議会(SMB)の承認を得る。
名称及び作業範囲
SCの名称及び作業範囲は、親TCが決定する。
作業への参加
全てのNCは、SCの業務に参加する権利を有する。また、効率的な運営を行うため、TCと同様にPメンバー。Oメンバーの参加地位があり、各NCはいずれに属すかの意思表明を行い、中央事務局へ明示しなければならない。親TCのPメンバー及びOメンバーは、そのSCのメンバーになることができる。 (TCのOメンバーがSCのPメンバーになることもできる。)
幹事国
SCの幹事国は、親TCにより割り当てられる。
議長
SCの議長は、その幹事国の推薦に基づいて親TCが任命する。任期は6年で、3年毎の延長が標準管理評議会(SMB)により認められる。
解散
SCの解散は、標準管理評議会(SMB)の承認をことを条件に、親TCにより解散される。
(12)プロジェクト委員会(PC: Project Committee)
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どこのTCの作業範囲にも属さない特定の規格を作成するための組織。設立の要件は、全IECメンバーによる投票で過半数の賛成を得、かつ、5カ国以上から積極的な参加の表明があること。PCは当該規格の作成が終了後解散し、作成された規格の維持管理(メンテナンス)は当該PCの幹事国が行う。
(13)テクニカルエリア(TA: Technical Area)
- IECの様な技術革新の激しい電気・電子分野では、より迅速な審議を促進する必要があり、このため、反抗恒久的組織であるSCに代わるTA制度が導入されている。
TAは、プロジェクトを中心とした「同一技術分野」を網羅し、かつ新技術分野の規格開発を柔軟に対応する、また、TAにはSCの議長と同等なTAM(Technical Area Manager)及びSCの感じと同等なTS(Tschnical Secretary)が設置され、それぞれSCと同様な業務を行う。現在は、TC100(マルチメディアシステム及び機器)が先鞭をつけて組織改革を行い実施している。
(14)作業グループ(WG: Working Groups)
- WGは、TC又はSCの作業範囲内の特定の作業を行うことを目的にTC又はSCにより設置され、個々に任命を受けた専門家によって構成される。 WGの設置が決定されたら、専門家を任命するため各Pメンバーに対して正式に通知する。個々に指名された専門家によって構成されるため個人の立場で活動する。委員会がWGの設置を決定した場合、コンビナまたはその代理人を直ちに任命し、3ヶ月以内に第1回WG会議を開催する準備を行う。WGの会議の通知は、会議開催6週間前までに専門家の任命要請とともに、その委員会のPメンバー等に行わなければならない。
(15)プロジェクトチーム(PT: Project Team)
- PTは、国際規格を新たに作成、修正または改正して発行することを目的として、親TCの合意の元に設置される。各プロジェクトの遂行のため、プロジェクトリーダは、NPの提案者からの推薦を考慮してTCまたはSCによって指名される。PTは、親TCまたはSCが設置した業務計画及び以下の各段階完了の目標期日に基づき作業を行う。
(16)メンテナンスチーム(MT: Maintenance Team)
- MTは、各TC及びSCで発行された規格を保守・更新するために専門家グループで設置される。また、各TCまたはSCに設置されるMTは、各委員会のPメンバーで構成され、定期的なサイクルで保守・更新を行う。
(17)諮問グループ(Advisory Group)
- 諮問グループは、委員会の業務の調整、計画、運営に関わる業務あるいは諮問的な特定業務について、親TC/SC議長または幹事国を支援するために設置される。
会議の効率的な運営をはかるため、人数は極力制限することを念頭に置いて構成しなければならない。また、メンバーは各NCが指名し、最終的構成は親委員会が承認する。
諮問グループの役割は、規範文書(特に、IS、TS、PAS及びTR)の原案作成、または整合化に関する提案の作成を含めてもよいが、これらの文書の作成そのものは行わない。規範文書の作成のためのWGまたはJWGの設置提案を行うこともできる。
同グループの内部文書は、そのメンバーだけに配布し、関係委員会の幹事国及び中央事務局にはコピーを送付する。
諮問グループは、規定任務が終了次第解散する。
(18)アドホックグループ(Ad hoc Group)
- アドホックグループは、詳細に限定された問題を処理するために、TCまたはSCにより設置される。アドホックグループのメンバーは、親委員会の委員から選出され、必要があれば委員会が任命した専門家により補強することができる。
また、親委員会に報告書を提出した時点で解散する。
(19)編集委員会(Editing Committee)
- 編集委員会は、国際規格の文書作成の補助を行うために、幹事国により設置される。英語版と仏語版が同等となるよう、両語に十分な知識をもつメンバーにより構成される。
IECの組織図
IECの組織図はこちら(PDFファイル14kB)