ISO規格の制定手順
ISO規格は通常次の6つの段階を踏んで作成され、36ヶ月以内に国際規格の最終案がまとめられることとなっています。
(1)新作業項目(NP)の提案
- 各国加盟機関、TC(専門委員会)/SC(分科委員会)の幹事などが新たな規格の策定、現行規格の改定を提案
- 中央事務局は各国に提案に賛成か反対かを3ヶ月以内に投票するよう依頼
- 投票結果が次を満たす時に提案は承認
- 投票したTC/SCのP(積極的参加)メンバーの過半数が賛成すること
- 5ヶ国以上のPメンバーが審議に参加すること
(2)作業原案(WD)の作成
- 第一次WDの入手(登録時に原案がない場合、登録から6ヶ月以内)
- 提案の承認後、TC/SCのWG(作業グループ)においてWDの策定に当たる専門家をTC/SCの幹事がPメンバーと協議して任命
- 幹事より任命された専門家はWGにおいてWDを検討作成
- その上で、専門家はNP提案承認後6ヶ月以内にTC/SCにWDを提出
- 委員会はこの最終作業原案をPASとして発行可能(登録から12ヶ月以内)
(3)委員会原案(CD)の作成
- WDはCD案として登録されTC/SCのPメンバーに意見照会のため回付
- Pメンバーの意見を踏まえ幹事を中心にCD案を検討、必要に応じて修正
- 総会でのコンセンサス又は、Pメンバーの投票にかけて2/3以上の賛成を得た場合にCDが成立
- その上で、CDは国際規格原案(DIS)として登録
- 委員会は技術的問題が解決できない場合、TSとして発行可能
(4)国際規格原案(DIS)の照会及び策定
- 登録されたDISはTC/SCメンバーだけでなく全てのメンバー国に投票のため回付(投票期間5ヶ月間) (登録から24ヶ月以内)
- DISは次を満たす時に承認
- 投票したTC/SCのPメンバーの2/3以上が賛成 、かつ
- 反対が投票総数の1/4以下(DISが否決された場合、TC/SCの幹事が中心となりDISを修正し再投票)
- 反対票が投じられなかった場合は、直接発行を進める。
- その上で、DISは最終国際規格案(FDIS)として登録
(5)最終国際規格案(FDIS)の策定
- 中央事務局が登録されたFDISを全てのメンバー国に投票のため回付(投票期間2ヶ月。この段階で規格内容の修正は認められず。) (登録から33ヶ月以内)
- FDISは次を満たす時に承認され国際規格として成立
- 投票したTC/SCのPメンバーの2/3以上が賛成
- 反対が投票総数の1/4以下
- FDISが承認されなかった場合
- 修正原案をCD、DIS、FDISに再提出
- TSを発行する
- プロジェクトを取り消す
(6)国際規格の発行
- FDISの承認後、正式に国際規格として発行されます(発行期限はNP提案承認から36ヶ月以内)。
なお、ISOは技術革新のスピード・アップに対応して時宜を得た国際規格策定を行うために、迅速手続(Fast-track procedure)制度を導入しています。
迅速手続では、各国で一定の実績のある規格が、TC/SCメンバー又はISOと提携関係にある国際的標準化機関(ECMA(欧州コンピュータ工業会)、ITU等)からISO事務総長に国際規格提案された場合、(1)を実施し条件が満たされれば、(2)、(3)の作業手続を省いてDIS登録されることとなります。
ISO刊行物の制定手順
